夜間飛行

丸をください

人生!yeah!うまくいかない!

最近の人生がちっともうまくいかない。

 

内定なんてひとつも貰えていない。今月第一志望御社の面接で大いにコケてから就活への意欲を失っている。大失敗の面接だけど、今に通過の電話が来るんじゃないかと期待している。諦めが悪いタイプ。インターン参加者限定の早期選考で、ごくわずかなスペシャルな人しか通らないらしい。わたしはどこにでもいる、何の能もない、田舎出の平凡そのものの女子大生だから、通らない。インターンには、スタンフォードとかオックスフォードとかの人がいた。わたしは英語ができないし、外国に行こうというガッツがない。ほんとうに、あきれるほど、なーんにもない。

 

面接を通過した人にだけ電話が来る。この会社は「日本○○」という社名。この前しらない番号の電話にでた。出たら、「こちら日本」と聞こえて、どきどきしながらも、成功の二文字が浮かんできた。本当の地獄を見る前に、これで就活を終わりにできる。就活を終わりにしたらたくさんバイトを入れて、卒業旅行でローマに行くお金を貯めよう。0.2秒くらい私の頭はめまぐるしく回転した。ローマでトレビの泉にコインを投げて、永遠の幸せを確信している、おめでたいわたしの姿まで浮かんできた。

 

しかし先ほど「内定なんてひとつも貰えていない」と言った。そうだ、この電話の主は「日本年金機構」が委託した人物で、わたしが先月の年金を振り込まなかったのを、今月引き落とすからよろ♡と言ってきたのだ。残念でした!最近ことあるごとに年金の文句しか言ってない気がする。どうせわたしがおばあちゃんになるころは、受給開始年齢が120歳とかになってて、どうせ80歳くらいまで払わせられるのだ。そんなに長生きする予定はない。つまり年金なんぞあてにできないし、どうせもらえないのだ。

 

人間関係もうまくいってない。これは実は傷がでかすぎて、今はここであらましを書けない。自分でここまで傷ついてる自分にびっくりするくらい心がやられている。3日くらい何も食べられなくて、おかげで永遠にぷっくりしているフェイスラインがすっきりした。この手の痩せは一時的な痩せなので、食べる気力が戻ってから一瞬で戻った。断っておくが、受験のストレスでがりがりに痩せていく友人たちをしり目に、食べすぎでどんどん太っていったような人間である。基本的に肝が据わっていて、心臓に毛が生えているはずだ。当時高校の購買に売ってた「ふんわり包(パオ)」というふんわりしたランチパックみたいな具入りのパンがお気に入りで、ぱつぱつに太って、お前の顔がパオだ~と散々からかわれていた。

 

親がひどく心配していた。自分でもびっくりである。食欲旺盛で、人生に於いて痩せたためしがない人間が全くご飯を食べない、食べられないのだ。食欲と空腹がリンクしない時があるということを学んだ。この時本当に落ち込んでいて、もうこのまま緩やかに飢え死にしようかと考えていた。即身仏やインカで生贄になった少女のミイラのことを調べたりして。

 

わたしの生きがいは、自分の人生を切り売り(売ってすらいない。ロハだ。)して、皆さまに上品な笑いを提供することだ。笑っていただくことでわたしの黒歴史はエンターテインメントに昇華できる。根が陰性のくせに、生来のコメディエンヌ気質。ノンフィクションの笑いをお届けして、こんなやつもいるんだと、どこかの誰かに安心して笑ってもらいたい。笑いのために己の来し方を客観視するので、しゃべると楽になるというのもある。上品な笑い、とはその場しのぎの調子のいい笑いではないと考えている。軽薄さの中にも身につまされるものや、エスプリのよく効いている笑いなのだ。なのでこのうまくいかない部分を笑ってほしい。

 

あまりにもダメダメな日々を送っているので、身を清め、ありがたいお力にすがろうと神社に行ってきた。おみくじを引いたら、「試練の兆し」と書かれていた。「きざし」なのでまだこれからどしどし試練が来るのだ。もう十分だよ。シェイクスピアの、「今が最悪であるといえるうちは、まだ最悪ではない」とかなんとかいう言葉は最悪の今日にいる人間には響かない。うるさい、こっちが最悪と言ったら最悪で、明日来る最悪は別件なんだよと申し上げたい。

 

霊感のある友達曰く、本当に追い詰められている人からは黒いオーラが出るらしいが、わたしからはそのような黒さは見えないらしい。きっとわたしは何度でも立ち上がるのだ。最悪の今日にも、明日が来るのだ。現実を直視する者に明日は来る。うまくいかない人生、本当にうまくいかない、人生で一番行き詰まっているここ最近ではあるが、今日もなんとか生きたし、明日もなんとかやっていこうと思う。