夜間飛行

丸をください

自宅軟禁記

現在わたしは親から東京に行くなと厳命されているので首都圏某所の自宅と最寄り駅近くのバイト先にしか行けていない。詳細は省くが東京に魂を売っているレベルで東京が好きな県民なのでとにかく退屈かつ高ストレスである。家でごろごろしているだけだからさぞかしストレスが無くていいだろうと家族には言われるが、その家族との一日中顔を突き合わせているのが何よりのストレスである。わたしは妹とあまり仲が良くないのだが、妹のほうが要領がいいため毎度わたしが悪いことになってしまう。これは違うんじゃないかと抗議しても取り合ってくれない。お金があればさっさと家を出たい。家族は嫌いではないのだが常に一緒にいるのはそろそろ限界である。方向性の違いが大きすぎる。

 

さきほど都内某所のもうひとつのバイト先から「そろそろ出勤しないとクビになるで!」という連絡があってこれで父親とひと悶着あった。いくつもいくつも応募してようやく雇ってもらえたお店であり、秋学期から履修の都合で地元で今までのように働けなくなりそうなのでどうしてもクビは回避したいのだが父親にわかってもらえない。バイトを辞めたところで親がお小遣いをくれるわけではないのでただ私の財布が寂しくなるだけである。音楽系のサークルにも行けていないためそろそろ発表会が近いのに全く練習できていない。ここまで遅れをとると周りに迷惑が掛かるのでいっそのこともう辞めたい。

 

遊び場も遊び相手も買い物も全部東京に依存している県民なので地元ではやることが本当にない。夏休みにやりたかったことが何一つできていない。家にいると一日が恐ろしく早く過ぎていく。お年寄りが一年たつのが早いと言っているのをよく聞くが、毎日が単調で出かけたり誰かに会うことのない暮らしをしていると密度の薄い時間が猛スピードで過ぎていくことがよくわかった。高校時代まで夏は勉強ばかりしていて、大学にはいってようやく…と思っていたのに二年連続でこのざまだ。誰もが家でおとなしくしているなら我慢できるのだがみな普通に出歩いているのでやりきれない。しかし軟禁の理由もわたしが信用ならないかららしい。ここまで実の親に信用されない自分っていったい何なんだろう。

 

家では本当に無為に生きている。もう本当に生きている意味が見つからない。ネトフリで映画を観て(ライチ光クラブアメリ花様年華愛のコリーダスワロウテイル)、積んであった本を読み(一番読破したい水晶内制度は読了できていない)、へたくそな絵を描き、クソ暑いのになぜか編み物をはじめ、6月から放置していた健康診断の再検査に行って血を取り、原付免許の対策を始め(自動車の免許はお金がなくて取れない)、TOEICの申し込みをした。やはり外に出ないとだめだ。家にいると退屈とストレスのせいなのか無限に何かを食べてしまう。出かけているほうがエネルギーを使うはずなのに家にいるほうがお腹がすく。あんなに夏休みを楽しみにしていたのに、身動きがとれないことで何もできない。友達との電話が唯一楽しいと思える。末期である。私を家から出してくれ。