夜間飛行

丸をください

収集癖

私には一度気に入るとそれを延々と集めてしまう悪い癖がある。おかげさまで大変な目に合っている。

 

小学生の頃はカチューシャとメモ帳をストラップと千代紙。学校に着けていくカチューシャにこだわりがあって、沢山持っていた。特に気に入っていたのは茶色のサテン地に白い花の模様のものと水色のグログランテープのもの。どちらも幼児の妹がぶっ壊した。許すまじ。さらに許さないのは別のカチューシャを壊したのにそれを私の過失にした母と、妹が壊して私が大泣きしているのを軽くあしらった父。自分が大事にしているものには異常に執着して大事がるタイプなので大変悔しかった。メモ帳とか千代紙は綺麗なものがひと塊、一束になっている、という状態が好きで、使うためというよりかは眺めるために持っていた。そのせいで沢山残っている。そしてストラップは旅先で必ず買ってもらっていた。でも買ったもらったものはイニシャルが刻まれたものや四つ葉のクローバーまがいが封じられたものなどで特に旅先とはあまり関係ないもの。どうして。

 

中学生の頃は楽器のカタログを集めていた。トロンボーンをやっていたので国内外のトロンボーンメーカーのカタログを眺めてはどれがいいかとか将来どれだけ働けば買えるようになるのか、などど延々と夢想していた。たしかアントワンヌ=クルトワ、コーン、バック、ゲッツェンあたりのカタログが好きだった。学校で使っていたのがヤマハバストロンボーンだったがマウスピースは自前のバックの2G。リムが薄くて吹きやすかったし、2Gは使用人口が少なく珍しがられたので少し自慢げだった気がする。

 

高校に入ってからはメイクに目覚め、コスメを収集していた。気に入ったものがあると色違いで買いたくなり、オピュの水光ティントは自宅に6本もある。いつ使いきれるのか。似合う色が分からない頃に買ったものも多く、かなり失敗をしている。リップとアイシャドウは特に沢山集めた。9色パレットが三つほぼ未使用で眠っている。クッションファンデのリフィルが2つ残っている。未使用のリップが2本もあるのにまた買ってしまった。どうしよう。なんてことがざらにある。しかしながらそろそろ少数精鋭式にしたく、物欲を我慢して買い控えている。今はどちらかというとトリートメントやヘアオイルに投資している。毎日のアイロンでダメージがひどいので。

 

収集癖の良くないところは欲望の終点が飽きることであるということだ。興味があるうちはほかの予算を削って買い続ける。危ない。私のような人間はクレジットカードなんてものを持ってはいけない。よーく考えて買い物をしようと思う。