少々変態だと思われてしまうことを覚悟しているのだが、自分は学生服が好きである。かっきりと一列に並んだ金ボタンや詰襟のディティールが大変すばらしい。日本が誇るべき服飾文化である。ブレザー制服よりも学生服の方が5倍くらい知的に見える上に5倍くらいかっこよく見える。(さらに制帽があるとよいのだが見たことが無い。母校にはちょっと前まであったと聞いている。)どんどん悪しきブレザーに淘汰されつつあるのは大変嘆かわしいことだ。
だいいちブレザーはだらしがない。ボタンを全部開けてネクタイもゆるゆるになっているのはみっともない。少しでも着崩すとだらんとした雰囲気になってしまう。その点学生服は着姿が美しく、少々着崩してもだらしなさがでない。むしろパーカーを中に着たり第一ボタンをはずしたりしているのが学生服の固さとよく調和する。そもそも社会人になれば死ぬほどスーツを着ることになるのだから今しかできない服装をするべきなのである。
私は女子高出なので「人生に存在しない類の青春」を夢見ているという節がある。母校が大好きだし女子高に行って大正解だと思っているが、違う世界線での高校生活を考えてみたりすることもある。共学も別学もそれぞれの三年間は紛れもない青春時代なのではあるが、その中身はかなり違うのではないか？
コロナのせいで大学に行けないから過去を美化しすぎてる説
ボタンの話をします。
校章が入ったボタンが綺麗で非常に羨ましい。小さなボタンに刻まれた意匠、みたいなものはとても美しいと思う。その意匠が普通の学生服を特別なものに変える。近隣の高校の銀杏や何かの葉の模様のボタン(三角形の葉？が三枚。なんの植物だったんだろうね)が綺麗に五つ並んでいるのは清冽に感じる。前述の通り自分は女子高出なのでボタンをもらうようなことは無かったが…
一応中学を出るときはボタンをもらいました。鳳の模様。箱の中にしまって大事に取っておいてある。懐かしい。卒業式の何日か前に下さいって頼みにいった記憶がある。第一志望落ちてんだからもっと落ち込めよ自分。何うわついたことしてるんだ。でもあれ第二ボタンじゃない気がする。直感だけど。
ここまで書いて自分は本当に変態なんじゃないかと思い始めた。ほぼ間違いなく変態だ。蔑んでくれ。しかしながら中学時代クラスメイトに学生服を借りてキャアキャア喜んでいたような人間なので仕方がないのかもしれない。おわり。
