夜間飛行

丸をください

夏の始まりは高いかき氷だった

暇だ。夏休みとはこんなに暇なものなのか。

 

期末課題を全部始末したあと、狙いすましたかのように高熱を出した。記憶にある限り39.4℃まで出たのは初めてなんじゃないか。ここ何年もインフルもかかっていないので本当に熱は久しぶりだ。母に聞いたら最後にインフルやったのは中3の10月らしい。学校の合唱コンクールでだれもワクチン打っていない早い時期に一気に校内で広まったらそうだ。まさにクラスターである。マスクもせず飛沫飛ばしイベントを学校挙げて親呼んで開催するなどいまでは考えられないが、それもここ二年くらいの話なので常識が変わってきていることに感慨を覚える。今では人々をあんなにも恐怖に突き落とし、どんどんクラスに穴が開き、学級閉鎖にならないかとたくましい小学生をわくわくさせたインフルエンザなど雑魚のような扱いである。逆に今までどんな適当な感染予防を取っていたのか。ウィズコロナなんて時代くたばってしまえ、私はお前とともに生きていくつもりは毛頭ないんだ。遅く来た青春を返してくれ。マスクあつい。

 

幸い今度の熱はコロナではなくただの風邪だった。多分深夜にぬるすぎる風呂で寝落ちして、髪の毛びしょびしょのままエアコンガンガン効いたリビングで寝て、髪の毛びしょびしょのままエアコンガンガン効いてる自室で何も掛けずに寝たせいだ。おぼろげな記憶だがリビングの段階ですでに悪寒がしていた。普通に私がバカなだけである。バカも風邪をひくらしいね。検査受けるまでどこでコロナもらってきたか必死で考え、濃厚接触者はだれかをふわふわした頭で考えた。わたしは学科の必修で歌舞伎町の発表をした結果全く親しくない顔見知りレベルの人に歌舞伎町の人だと認識されるほどの歌舞伎町大好き人間だが、テスト期間だったため歌舞伎町には入っていない。新宿にはたくさん行っていたのでそこでうつったか、といった感じだが新宿には常駐しているため今更かかるか?という心境。絶対コロナじゃないだろと思ったら本当に陰性だった。

 

そんなこんなで私は体調を崩し、コロナの感染者がえらい増え、自宅と生活圏内にしか行くなと親に言われてしまった。サークルにもようやく採用が決まった新宿の某喫茶店のバイトにも行けていない。地元のバイトに週二日行く以外はステイホームである。ステイホーム生活まだ数日だが早速退屈している。7月の学校に行けていたころは授業めんどくせぇと言いながらも楽しかったし、期末に追われているときもテスト勉強何もやってねぇレポートの締め切りやべぇと言いながらもその生活は充実していた。失って初めてわかる日常の幸福よ…!夏休みになったらバイトたくさんしてお金を稼いで、旅行して花火して友達と遊んで、とやりたいことはたくさんあるのだが、今年の夏もまた何もできないかもしれない。去年の夏は友達が出来なくて病んでいたが今年は遊び相手がいるのに会えないという方向で病みそうだ。まったくどちらがより不幸なのか分からない。私の住む自治体は仕事が遅いのでワクチンも回ってこない。一応は政令指定都市なんだからしっかりしてほしい。

 

あまりにもやることがないので今日は部屋の掃除と片付けをした。わたしは掃除と片付けが死ぬほど苦手で何かにつけて疲れたとか課題がとかいって逃げていたのだが、本当に一日中ごろごろしてスマホ見るしかやることがないのでお部屋をきれいにした。本当にレアケースである。掃除から逃げるとTOEICの勉強というもっとやりたくないことしか選択肢に残されていないのでやるしかない。服は「学校に着ていけるか」が断捨離の基準だ。去年の、GRLとEMSexciteとレトロガールとオリーブデオリーブで買った、生地が安っぽくて野暮ったい服を捨てたいのだが、これを捨てるとこの秋「服はあるが着る服がない」状態になるので困る。いかにも一年生っぽい、とりあえず大学生っぽい服を安く買いました感のある服である。いまだに私はあか抜けないしおしゃれではないしかわいくもないがさすがにもうこれを着て東京に出ていく気にはなれない。むろん現在自宅軟禁状態なのでまだタグを切っていないメリージェニーのワンピはまだ日の目を見ない。これを買ったルミネエストもコロナのせいで臨時休業中である。

 

本当に暇である。NHK映像の世紀を再放送していなかったらほんとに退屈で死んでいるところだった。平日の昼間、どのチャンネルをつけてもオリンピックで、ほかに坂上忍が出てるうるさいワイドショーしかないので録画した映像の世紀を観ている。ありがとう、NHK。たとえ世界中のみんなが受信料の支払いを拒否してもわたしは払います。

 

やはりわたしの性分としてそれなりに何かに追い詰められて、よくわからない遊びをすることが人生なのであり、夏休みとは一種の非日常の非・人生的な時間な感じがする。今年の夏で一番「夏」をしていたのは期末の影が忍び寄る7月中旬、必修をさぼった日かもしれない。授業さぼって渋谷ヒカリエのくそ高いかき氷を食べた。ほんとに、原料ほぼ水で(原価厨ではないがつい考えてしまう)1600円もした。おいしかったが、原料ほぼ水である。1600円のほとんどはインスタ映え代なのだろうが、必修ぶっちという後ろめたさを抱える私はインスタにアップできない。これぐらい適当で楽しくて意味不明なほうが人生まっとうしている感じがする。夏の始まりは高いかき氷だった。