夜間飛行

丸をください

贈り物を選ぶのが難しすぎる件について

正直に申し上げてわたしはひとにものをあげるのが苦手です。

なぜなら何を贈ればいいのかわからなくなってドツボにはまった結果意味不明のものをプレゼントしてしまうから。

 

高校の修学旅行でアメリカに行ったときに話は遡ります。アメリカに行ったのだから向こうのお菓子とかTシャツとか洋書とかTHEお土産!というものを選べばいいのに、なぜかマグカップの淵に引っ掛けて腹に入れたお茶を抽出するナマケモノの茶こしを買って当時の彼氏(太古の昔に別れました…)に渡したことがある。多分ド変人の彼なら喜んでくれるかも、ということを見越したらしいのだが、さすがの彼も困った顔をしていました。ごめんなさい。

 

ナマケモノに関する説明が意味不明なので調べたらヒットしました。なんだかおしゃれ雑貨っぽくなってますし、実際おしゃれ雑貨なのですがアメリカ土産としては適切ではない気がします。

のんびりティータイムのおともに。コップのふちのナマケモノ | MASHING UP

 

渡す相手に喜んでもらいたくていろいろ見ているうちに訳が分からなくなってしまい、「相手が喜びそうなものは何か?」という贈り物の基本姿勢を見失ってしまうのです。最近はこの自分の傾向をようやく理解できたのでこうならないように努めてはいますが、自覚がないだけで未だに変なものをプレゼントしているかもしれません。

 

というか絶対に変なものをあげる自信があるのであらかじめほしいものを聞いちゃってる。場合によっては一緒にお買い物する。センスがない人間のサプライズはきっと悲劇しか生まない。きっとそうだ。ほんとはスマートに相手の喜ぶものを聞かずに用意できればいいのだけれど、無理!同年代かちょい下の女の子とかだったらできるかもだけど、それ以外は厳しい。

 

誤解のないように申し上げると、わたし自身はサプライズでいただいくのも大変喜びます。そもそも人から何かをいただくのは本当にありがたくうれしいことなので。あくまで己のプレゼントのセンスが怪しいためにリクエストを聞いているのですからあしからず。(しかし文章ではこんな殊勝なことを言っていても、その心がけを忘れ、謙虚さを忘れ、ありがたみを忘れる愚かで傲慢な人間なのですが…)

 

この母の日も結局母に欲しいものが何か聞きました。前にちらっと「シャネルのアイシャドウが欲しい…」なんて言ってたような気がしますがコスメカウンターが怖くて仕方がないうえにレキャトルオンブルは残念ながら貧乏大学生がちょろっと買えるものではないので聞かなかったことにさせていただいて、改めてリクエストを頂戴しました。

 

その結果エプロンがいいと言われたので、今回はフランフランのエプロンと、それだけじゃおつかいみたいで面白味がないと思って追加したスリッパになりました。個人的な思想として、母の日とは母が自分だけのために使うものを贈るべき、という考えがあります。そのため家事のために身に着けるエプロンは贈る予定がなかったのでこのリクエストによってエプロンをあげても大丈夫、ということが分かりました。

 

なんだかエプロンを贈る、っていうのがなんだが性別役割分業というか家父長制というか男尊女卑というか、そういう意味が入ってそうで嫌だったんですけどうちの母は全然そんなこと考えてなくて、純粋に新しいエプロンを必要としていたようなのでやはりリクエストを聞く方式がわたしにはあっているようです。相手が欲しいものをあげたほうが、相手も要らないものをもらう心配はないしこちらも安心してプレゼントできる。

 

いちいちこんなことを気にしているせいでサークルの同期から思想が強いフェミニストだと思われています。大学で恋人がほしいと言っていた人に「君がシスジェンダーかつヘテロセクシュアルであると仮定すると…」と話を始めると「そんなことを言っているからフェミニストだっていわれるんですよ」と指摘されました。割と大事なことだと思うのですが…嗚呼!「あなたはフェミニストなの?」って聞かれるのは魔女狩りのニュアンスが入ってるみたいで答え方に困ります。

 

一応シャネルも見ようと思って伊勢丹に行ったんです。やっぱりコスメカウンター怖い!シャネルでなるほどこれがレキャトルオンブルか、と例のアイシャドウを見ていると見るからにお金を持ってそうな豪華なマダムが来ました。見るからに貧乏学生のわたしを華麗にスルーしていたBAさんがここぞとばかりに豪華絢爛派手派手マゼンタピンクファーマダムに話しかけます。怖いです。Diorもこんな感じです。Diorのほうが怖かったな。このふたつはBAさんが怖いので買う日が来ても公式通販かイセタンミラーで買うかも。お買い物は気持ちよくしたいですからね。

 

もちろんBAさんにもいろいろノルマ等の事情がおありでしょうから貧乏学生の相手などしている暇はないのでしょう。しかしそのあからさまな接客態度はちょっといかがなものかしら。わたしは根に持つタイプなのでいつか金持ちになってシャネルを買う日がきても絶対ここの店舗では買わないからな…とひそかに決意します。16歳だったわたしが憧れの香水みたさにカウンターを遠巻きに眺めていたとき、イモイモ高校生に丁寧に説明してくれてまたいらして下さいねって言ってくれたゲランカウンターのお姉さんを忘れていません。

 

本当にプレゼントのやり取りは、本当に、本当に、本当に!!難しい。これで大喧嘩して相手(ナマケモノの茶こしの方ではありません)をひどく傷つけてしまったクチなので本当に難しいと思っています。あまりここでは書きたくないから書かないけど、本当に猛省している。いくらなんでも言いすぎてしまったと心から反省しているのです。ちゃんと謝らなくてはなりません。こんど謝りにいきます。贈り物は難しい。